山頭火の句碑が教えるおいしい水のある場所

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山頭火はミネラル分の少ない軟水を好んだ

漂泊の俳人・種田山頭火(1882~1940年)は利き水の名入で、ミネラル分のきわめて少ない軟水を好みました。これは広島国際学院大学の
佐々木健教授の研究でわかったことです。佐々木教授は全国約200か所で水質調査を行ないました。すると、名水の里と呼ばれる土地で、山頭火の句碑に出合うことに気づきました。

山頭火は水に関する句や記述を多く残しています。佐々木教授は句集から、「へうへうとして水を味わう」(鳥取・大山)など水に関する句を選び
出し、さらに日記や手紙の記述などを参考に山頭火が実際に口にしたと推測される25か所の水をくみ、pH(ペーハー)、硬度、イオン、有機物、 鉄などの成分を分析しました。

日本の水は、ほとんどが軟水なのですが、山頭火が好んだのは、とりわけミネラル分の少ない「超軟水」でした。そして、旧厚生省(現在の厚生 労働省)が定めた「有機物や鉄分が少なく澄んだ軟水」という「おいしい水の要件jにも合致していました。

軟水、硬水は流れる音を聞けばわかる

山頭火の句に、「水の味も身にしむ秋となる」「落葉するこれから水がうまくなる」があります。 10月、卜月頃は降水量が減り、水の成分中のミネラル濃度がわずかに上昇し、おいしく感じられます。山頭火は水の旬にも気づいていました。

山頭火の「吉吉水」とは、「水の味をきく」「香りをきく」「音を聴く」の3つを合わせたものです。晩年は、流れる水の音を聴いただけで、味や香りまでわかりました。おそらく水と石や岩のぶつかる音で水質を見極めたのでしょう。硬水の流れる(湧き出す)場所では石や岩にこけ等が付着しやすいので水音は柔らかく、軟水の場所ではこけ等が付着しにくいので水が直接、石や岩にぶつかり激しい音がします。「飲みたい水が音たてて いた」とは、おいしい水を見つけた喜びだったのかもしれません。


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